ROH™ 純水高圧洗車システム

ROH™ 純水高圧洗車システム

アクアウイングのディテイリングサービスは洗車作業におけるすべての工程で、オリジナルの純水装置で生成した0ppmの純水を使用しております。すすぎ工程だけ純水を使用したり、簡易的な生成装置は使用しません。逆浸透膜(RO)濾過方式のハイスペックな純水生成装置で作った0ppmの超純水を洗車専用として贅沢に使用します。

作業環境には徹底的に拘り、ブース内はもちろん空調完備、照明は高照度LED、車両搬入用の開口部には断熱パネルとウェザーストリップが付いたオーバースライダーを使い、外熱と埃の侵入を防いでおります。そんな拘りのブースでお客様の愛車をお預かりし、ファーストウォッシュからフィニッシュまでの作業をブース内で一貫して行います。

洗車の仕事を始めてから ずっと作りたかった動画がようやく完成

洗車の仕事を始めてから ずっと作りたかった動画がようやく完成

「雨上がりにシミが付くのが怖い・・・」 「酸性雨対策をしたい・・・」と、お客さまから相談を受けるたびに、「雨でウォータースポットやデポジットは滅多にできません。」「酸性の雨が降ることは稀で、日本で降る雨の大半は中性で安全なんですよ。」と、いつも説明してきたのですが、やはり口や文章で伝えるだけでは何年経ってもなかなか浸透せず・・・ ここは論より証拠という事で、動画を作りました。

6種類(A~F)の水でテストを行いました

6種類(A~F)の水でテストを行いました

まず、TDSメーターでデポジットの原因と言われている水分中のカルシウムやマグネシウム濃度の目安となるppm値を測定し、続いてpHメーターで酸性度を測定しました。そして、最後にテストパネル(赤外線乾燥機と放射温度計を使い40℃前後をキープ)による乾燥テストを行いました。

Aは当店のROHシステムで使用している超純水。Bは未濾過の水道水(蛇口からそのまま出てくるもの)。Cは軟水フィルターを通した水道水(国内大手メーカー製の業務用浄水機能付軟水器)。Dは日常生活用として汲み上げられている地下水。Eは雨水を直接採取したもの。FはEの雨水を採取日から10日放置したものです。ppm値とpH値の計測結果は以下の通り。

A:ROH純水(逆浸透膜濾過) 0ppm/pH6.9
B:水道水1(未濾過) 59ppm/pH8.0
C:水道水2(軟水フィルター濾過) 55ppm/pH8.0
D:地下水(未濾過) 48ppm/pH8.4
E:雨水1(採取直後) 0ppm/pH7.2
F:雨水2(採取10日経過) 7ppm/pH6.8

※水道水採取地静岡県西部(59ppm) 全国平均水道水硬度は約50ppm。
※Sampling area Shizuoka prefecture (59 ppm), Japan’s average national tap water hardness is about 50 ppm.

ppm値が高い=水が汚れているということでは無い

ppm値が高い=水が汚れているということでは無い

ちなみにppm値が高い=水が汚れているということでは無いので注意が必要です。TDSメーターで測定されるppm値は水の中に溶け込んだ電解質の総量(濃度)であって、汚れの度合いではありません。ですからppm値が高い水道水は汚くて、値の低い雨水はキレイということにはなりません。わかりやすい例ですと、ミネラル分や電解質(イオン)を多く含むスポーツ飲料(ポカリスエットやアクエリアス)をTDSメーターで計測すると1000ppmを超える数値が出ます。また、TDSメーターで測定できるのは、水の中にある無機イオン(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、鉄分などの濃度)の総量(濃度)だけで、電解質の種類や比率を特定することはできませんし、塩素や細菌などの電気を通さない物質も測定することはできません。

pH値について About pH value
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~3.0 酸性 Acidic
3.0~6.0 弱酸性 Weakly acidic
6.0~8.0 中性 neutral
8.0~11.0 弱アルカリ性 Weak alkaline
11.0~ アルカリ性 alkalinity
参考:PH5.6以下で酸性雨と言われるそうです。 It is said to be acid rain at PH 5.6 or less.

TDS値について About TDS level
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~40ppm きわめて軟水
40~80ppm 軟水
80~120ppm やや軟水
120~180ppm やや硬水
180~300ppm 硬水
~300ppm きわめて硬水

6種類の水の計測が終わったら、乾燥テストに入る

6種類の水の計測が終わったところで、乾燥テストに入る

赤外線乾燥機と放射温度計を使い、パネル温度を40℃前後にキープしながら乾燥テストを行いました

夏場の濃色ボンネットの表面温度は70度前後まで上昇しますので、40度前後というのは比較的やさしいテスト環境かもしれません。

水分が徐々に蒸発し始め、30分ほどですべて蒸発。予想通り、水道水のB(未濾過)とC(軟水器)・地下水のDにデポジットが発生しました。業務用軟水器はデポジット対策にはなっていませんでした・・・。

水道水B(未濾過)とC(軟水器)に派手なデポジットが確認できます。自分はDの地下水が一番多くのデポジットが付着すると予想していましたが見た目では水道水で付いたデポジットより薄い印象です。Aの純水とEとFの雨水はデポジットは付着しなかったように見えますが・・・

HIDや通常のLEDでは見えないキズやシミも確認することができるスケルトンライトを照射すると、純水のAも、うっすらとデポジットのようなものが・・・。そして、雨水のEとFにもシミのようなものが見えます。

早速、初期のデポジットに対して効果のあるPHリフレッシュシャンプーで洗ってみます。

念入りに2回洗いました。

すすぎ後の状態。デポジットの輪の中に水が残っています。Dの地下水が一番ハッキリと水が残っています。そして、なんと0ppmの純水にも水が残った跡が出てしまいました。雨水はEとFの両方とも水は残りませんでした。

PHリフレッシュシャンプーですぐに洗浄したことで見た目上のデポジットは除去されているため、水分を拭き上げればデポジットは見えなくなりますが・・・

スケルトンライトを照射すると、除去しきれなかったデポジットが浮き出てきました。Dの地下水が一番酷いですね。Aの純水は目視でデポジットは確認できませんが、水が残った跡が見られましたので目に見えないレベルの微細なデポジットが付いている可能性があります。Aの水残り跡はデポジットによるものなのかどうかは検証する必要がありますが、「純水洗車=100%拭き上げいらず」という訳にはいかないようです。

ボディにも環境にもやさしい夢の雨水洗車!?

ボディにも環境にもやさしい夢の雨水洗車システム!?

ということで、ボディにとって一番安全な水は雨水でした。今回のテストで使用した雨水は雨天時にキレイなバケツで直接受け止めたものを使用しましたが、実際に大量の雨水を洗車用として貯蔵する場合には、屋根などで一旦受け止めたものをタンクに流し込んで貯めるわけですから、屋根や樋から溶け出る不純物を含んでしまいます。雨水を使用した洗車システムを構築するには、取水方法や濾過方法の工夫、貯蔵した雨水をを痛めない保存方法など、課題が多いですが是非実現させたいですね。

今までは、雨の中を走行して帰って来たらボディを水道水ですすいでそのまま放置して乾燥させていた方や、洗車後の拭き取りを行わなかったり・雑だった方は、今回のテストで今までいかにボディに良くないことをしていたのか、デポジットやウォータースポットの正体は雨ではなく水道水だったということが良く解かったのではないでしょうか?